あ
| 商品名 | 季節の行事・家庭の楽しみ方|日々の暮らしに“小さな記念日”を増やす工夫 |
|---|---|
| カテゴリ | 未分類 |
忙しくても、行事を大切にしたくなる理由
毎日が慌ただしく過ぎていくと、季節の移ろいや行事のことを考える余裕がなくなります。気づけば年が明け、気づけば桜が散っている。子どもがいる家庭でも、大人だけの暮らしでも、「今年も何もできなかったな」と感じる瞬間があるかもしれません。
でも、行事や季節のイベントって、本当は盛大な準備や完璧なおもてなしが必要なわけではありません。お店のような料理や豪華な飾りつけがなくても、家族で食卓を囲みながら「今日はこんな日だね」と話すだけでも、心の中に小さな灯がともります。
行事は、暮らしにメリハリをつける“目印”のようなもの。忙しい日々の中で、季節の香りや色を感じたり、いつもより少しだけ丁寧に食卓を整えたりする。それだけで、普段の生活が静かに豊かになります。
季節の行事は「完璧にやるもの」ではなく「暮らしに寄せるもの」
行事と聞くと、準備が大変そう、時間もお金もかかりそう…と思いがちです。でも、行事は“祝うために行う特別なイベント”というより、“暮らしの中にあるリズム”だと考えると、少し気が楽になります。
-
お正月 → お餅を焼くだけでもいい
-
ひな祭り → 桜餅と白酒の代わりに、桃色のヨーグルトやいちご牛乳でも良い
-
七夕 → 短冊1枚書くだけでも立派な行事
-
ハロウィン → かぼちゃスープを作るだけでも季節を感じられる
-
冬至 → ゆず湯に入れなくても、洗面器に柚子を浮かべるだけでも香りは楽しめる
大切なのは、“形通りにやること”ではなく、“その季節が来たことに気づくこと”。そして、それを自分たちのペースで味わうことです。
春の行事|ふわりと季節が始まるタイミングを家で感じる
● ひな祭り:飾らなくても、春色の食卓で楽しめる
3月3日のひな祭り。立派な雛人形セットを並べるのが難しくても、小さな紙の雛飾りや、桜柄のランチョンマットを敷くだけで雰囲気は十分出ます。
わが家では雛人形を飾りきれない年もありましたが、その代わりに:
-
ご飯に桜でんぶを混ぜてピンク色のちらし寿司にする
-
いちごをのせたミニケーキを買ってくる
-
テーブルに桃の花の造花を飾る
たったこれだけで子どもたちは「今日はひな祭りなんだ!」と喜んでくれました。
● お花見:公園に行かなくても家の中で楽しめる
桜の季節になると、お弁当を持って公園へ…と考えがち。でも、混雑や天候、子連れだと大変なことも多いですよね。
そんなときは、家のリビングをお花見仕様にするのもひとつの方法です。
-
桜の枝を一本だけ買って、花瓶に生ける
-
スーパーで買ったおにぎりと唐揚げをお弁当箱に詰める
-
テレビで桜の映像を流しながら、おうち花見
外に出られなくても、春が来たことを感じられる小さなひとときになります。
● 端午の節句:兜がなくても「こいのぼりの色」で祝える
5月5日のこどもの日。兜や鎧飾りがなくても、小さなこいのぼりや折り紙で十分です。画用紙で作ったこいのぼりを窓辺に貼ったり、柏餅やちまきを食卓に並べたり。
わが家では、前の日に子どもと一緒にカラーペンでこいのぼりを描き、玄関の壁に貼りました。完成度よりも、「一緒に作った」という思い出が残ります。
夏の行事|暑さとワクワクが混ざり合う季節
● 七夕:短冊を飾るだけでも、心が少し澄んでくる
7月7日。笹の葉を用意しなくても、画用紙や折り紙をリボンで吊るすだけで七夕らしくなります。短冊にお願い事を書く時間は、子どもだけでなく大人にとっても、自分の心の声に耳を傾けるきっかけになります。
「○○が欲しい」「○○になれますように」と書く子どもの姿は、毎年少しずつ変化していきます。その短冊を大切に箱にしまっておくだけでも、数年後に宝物になります。
● 夏祭りごっこ:屋台に行かなくても、おうちが縁日に変わる
暑さや混雑で夏祭りに行けない年も、お家の中で小さな「縁日」を開くことができます。
-
リビングに提灯ライトを吊るす
-
ポイですくえるお菓子をプールやボウルに浮かべる
-
たこ焼きや焼きそばをホットプレートで焼く
-
100円ショップのヨーヨー風船で水風船すくい
「本物みたいじゃなくてもいいよね」と笑いながら楽しめるのが、おうち夏祭りの良さです。
● 花火:大きな打ち上げじゃなくても、一緒に見上げる時間が思い出になる
打ち上げ花火に行けない年は、手持ち花火でも十分楽しい時間になります。庭がなくても、ベランダ・玄関前・駐車場の端などでできる簡単なものを楽しむだけで夏らしさは十分感じられます。
秋の行事|穏やかさと深まりゆく季節を暮らしに映す
● お月見(十五夜):お団子がなくても、月を見上げるだけで十分
秋は、暑さがやわらぎ、夜の風が少し冷たく感じられる季節。十五夜(お月見)は、平安時代から続く行事ですが、難しく考えずに「今夜は月を見よう」というだけでも立派な行事になります。
わが家では毎年、ベランダか窓辺に小さなお皿を置き、スーパーで買える白玉団子やみたらし団子を並べて月を見ます。子どもが小さいころは、粘土でお団子を作って飾ったこともあります。すすきが手に入らないときは、庭の雑草やドライフラワーでも代用できます。
月を見ながら「丸いね」「去年より明るい気がするね」と話すだけで、静かで特別な夜になります。
● 秋の味覚を楽しむことも、立派な行事になる
栗ご飯、さつまいも、きのこご飯、ぶどう、柿――旬の食べ物を食卓に出すことも、秋らしさを感じる行事のひとつです。
きちんとしたメニューにする必要はありません。
-
さつまいもをレンジで蒸してバターを乗せただけ
-
焼き芋屋さんで買った紙袋のままの焼き芋
-
ぶどうを冷やして、家族みんなで皮をむきながら食べる
小さなことでも「秋がきたね」と感じられれば、それで十分です。
● ハロウィン:飾りより“雰囲気”で楽しむのもあり
近年すっかり定着してきたハロウィンですが、仮装や大きな装飾をしなくても構いません。
-
かぼちゃの形をしたスープ皿にシチューを入れる
-
夕飯にかぼちゃコロッケを出す
-
オレンジ色と黒の紙ナプキンをテーブルに置く
-
窓に子どもが描いたジャック・オ・ランタンのイラストを貼る
ハロウィンらしい色(オレンジ・黒・紫)を少し加えるだけで、部屋の空気はぐっと季節らしくなります。
冬の行事|寒さの中で灯りや人のぬくもりを感じる季節
● 冬至:ゆず湯は、お風呂じゃなくてもいい
一年で夜が最も長い日。冬至にはゆず湯やかぼちゃを食べる風習がありますが、毎年できるとは限りません。そんな時は、もっと気軽に楽しめる形にすれば大丈夫です。
-
洗面器にお湯を張って、ゆずやみかんを浮かべる
-
ゆずの皮をお風呂の中に布袋で入れるだけ
-
夕飯にかぼちゃスープやパンプキンポタージュを作る
柑橘の香りが湯気にのってふんわりと広がるだけでも、心と体がほっと温かくなります。
● クリスマス:飾りは少なくても、灯りと音楽があれば十分
ツリーを出せなくても、クリスマスの雰囲気は作れます。
-
部屋の一角に、小さなLEDツリーやライトを置く
-
玄関にリースひとつ飾るだけでも気持ちが変わる
-
食卓に赤や緑の布、キャンドルをポンと置く
-
YouTubeでクリスマスソングを流すだけでも空気が違ってくる
「盛大にやらなきゃ」という思い込みから離れると、もっと気軽に楽しめることが増えていきます。
● 大晦日・お正月:無理に完璧を目指さなくていい
大掃除、おせち、年賀状…。年末年始はやるべきことが多いように感じますが、本当に必要なことだけに絞るのも立派な選択です。
-
大掃除は“全部”じゃなくて、“窓だけ”“玄関だけ”でも良い
-
おせちは一品だけ手作りして、他は市販品で良い
-
年賀状を出せない年があっても、それはそれで構わない
「家族で一緒に年を越せるだけで十分」という考え方もあります。新しい年を迎える準備は、完璧でなくていいのです。
行事を続けるコツは“楽にできる仕組み”に変えること
● 片付けや準備が大変にならない収納方法
行事グッズは、季節ごとに小さな箱や袋にまとめておくと楽です。
-
春グッズ(ひな祭り・桜の飾り・端午の節句)
-
夏グッズ(七夕・夏休み飾り・うちわ)
-
秋グッズ(お月見・ハロウィン)
-
冬グッズ(クリスマス・正月飾り・冬至用の小物)
100円ショップの収納箱に入れ、次の年までクローゼットの上段などに保管しておくだけで、準備がぐっと簡単になります。
● うまくいかなかった年も、そのままで良い
仕事が忙しかった年、家族の体調を崩した年、引っ越しや環境の変化があった年。何もできなかった年があっても、それは“行事を休む時間”だっただけです。
子どもは意外と覚えていないものです。大切なのは、続けることよりも、その年、その家族のペースに合わせること。再びできるようになったとき、「今年は久しぶりにやってみようか」と笑って話せれば、それで十分です。
写真や記録に残すと、「暮らしのアルバム」になる
行事をした日、特別なことがなくても写真を一枚残しておくと、数年後に見返したとき、家族の成長や暮らしの変化を感じられます。
-
短冊を持っている子どもの姿
-
かぼちゃの皮をむいている手元
-
玄関に飾られたささやかなリース
-
焼き芋をほおばって笑う顔
スマホの中だけじゃなく、紙のアルバムに一枚貼る。小さなコメントをそえたノートに挟んでおく。それだけで季節の行事は記憶から“思い出”に変わります。
最後に|季節の行事は「暮らしを整えるリズム」
行事を大切にすることは、特別なイベントを増やすというより、“暮らしの音”を少しだけ大きくするということだと思います。
桜の咲く頃にお弁当を食べる。夏に短冊を書く。秋の夜に月を見上げる。冬の空気の中で柚子の香りを感じる。それらはどれも小さな出来事だけれど、暮らしの記憶の中では不思議と色鮮やかに残ります。
完璧じゃなくていい。形通りじゃなくていい。
その年にできる範囲で、楽しめる形で、無理をせず。
そんなふうに季節を感じる家庭には、静かでやわらかな幸福が流れている気がします。