商品名 【収納のプロ監修】狭い家でもスッキリ暮らす整理整頓術
カテゴリ 未分類

片付けてもすぐ散らかるのは、あなたのせいじゃない

どんなに掃除しても、気づけば床の上にものが置かれている。片付けたはずのテーブルの上に、郵便物や子どものプリントが山になっている。狭い家だから仕方ない、収納が足りないから無理、とあきらめたくなる気持ちはよく分かります。でも本当に必要なのは、収納家具を増やすことではなく、「家の中のものの流れを整えること」です。

散らかる家にはいくつかの共通点があります。

・置き場所が決まっていないものが多い

・ものを戻す行動が面倒で遠回り

・家族の誰もが「どこにしまえばいいのか分からない」

つまり問題は、性格ややる気ではなく、「仕組み」がうまく作れていないだけ。狭くても収納スペースが少なくても、ものの位置さえ整えれば、家は自然と散らかりにくくなります。


スペースが狭い家ほど、“減らす”より“循環させる”

収納の本を読むと「まずは捨てましょう」と書いてありますが、実際は簡単に捨てられないものも多いものです。服や思い出の品、趣味のもの、子どもの作品…。全部を手放す必要はありません。ただし、狭い家で快適に暮らすなら、持っているものの「出口」を作ることが大切です。

・着ていない服は、売る・譲る・一時預ける

・子どもの作品は写真に撮ってアルバム化し、数点だけ残す

・読み終えた本はメルカリやリサイクルで循環

捨てるか残すかではなく、「どう動かすか」。ものが家の中に溜まり続けなければ、小さな家でも窮屈にはなりません。


片付けが得意な人は「置き方」ではなく「帰る場所」を決めている

家の中のすべてのものに住所を作ってあげる。これだけで片付けの手間が大幅に減ります。帰ってきた鍵、リモコン、爪切り、ハサミ、レシート、郵便物。これらが散らかる家はたいてい、「定位置が曖昧」です。

よくある失敗が、「見た目がきれいな収納」から始めてしまうことです。ボックスを並べたり、ラベルを貼ることよりも先に、「何をどこに置くか」「使ったあと戻しやすいかどうか」を優先します。しまう場所まで遠かったり、フタが重かったりすると、それだけで片付けのハードルが上がり散らかります。


リビングを散らかさないための工夫

テーブルの上は“仮置き場”ではなく“何も置かない場所”にする

リビングのテーブルの上は、自然と物が集まってしまう場所です。ここに郵便物や飲みかけのカップ、おもちゃなどを置くのが習慣になると、片付ける気力が一気になくなります。まずは「何も置かない状態を見る」ことに慣れるのがコツです。そのために、テーブルの上を空にしてから食事や作業をスタートします。

収納家具を増やすより“カゴを1つだけ置く”

収納棚やチェストを増やすと、そこにまたものが集まり、結果的に空間が狭くなります。おすすめは、リビングにひとつだけ“なんでもポイかご”を置くこと。置きっぱなしになった文房具やおもちゃ、充電器など、とりあえずここに入れておいて、夜寝る前に家族それぞれが自分の場所に戻します。細かく分けすぎない方が続きやすい方法です。


キッチンの収納は「動きやすさ」で決まる

狭いキッチンほど、スッキリ保つためには“動線”を意識します。調味料はコンロのすぐそば、菜箸・フライ返しはコンロとシンクの中間あたり。よく使うものこそ、使う場所の近くに置くことがポイントです。

よく見かける失敗は、見映えを意識しすぎておしゃれな収納ラックに調味料を並べること。調味料は動かすたびに倒れたり、ボトルの底がベタついたりして掃除が面倒になり、結局使いにくくなります。日常的に使うものは「出しっぱなしでも邪魔にならない」「掃除しやすい」ことを優先した方が暮らしやすくなります。


冷蔵庫の中も“見せる収納”より“忘れない収納”

冷蔵庫の中が散らかるのは、調味料や食品の定位置が曖昧だからです。たとえば卵、納豆、ヨーグルト、チーズ…。どこに置くか決めておくと、使った人が自然と戻せるようになります。賞味期限が短いものは手前、残りわずかなものは目線の高さ、といったルールがあるだけで、無駄買いが減り食費も抑えられます。

買いすぎを防ぐために、買い物に行く前に冷蔵庫の写真を撮る人もいます。何が足りて、何が余っているのか一目でわかるので、家族からの「ヨーグルト買ってきた?」といったLINEにもすぐ答えられます。


クローゼットの整理は「量」ではなく「動かしやすさ」

狭い家では、洋服の管理が一番ストレスになる場所です。服の量が多いことよりも、「出し入れしにくい」「何があるのか把握できていない」ことが問題になります。

ハンガーにかける服は全体の5〜6割におさめ、残りは引き出し収納に。服を畳むのが面倒なら、ハンガーの数を増やすだけでも片付けは格段に楽になります。季節外の服は布団圧縮袋や衣装ケースに入れてベッド下などに移動させると、今の季節の服だけが目に入り、着るものが選びやすくなります。


子どものモノが多い家でも散らからない仕組み

子どもがいると、おもちゃ・絵本・プリント・服…と、ものがどんどん増えていきます。ただし、子ども自身が片付けられないから散らかるのではなく、「どこに戻せばよいか分からない」ことが原因のことが多いです。

片付けやすくするために、カラーボックスや引き出しにラベルを貼ります。文字が読めない年齢なら、写真やイラストで分類すると直感的に片付けられるようになります。おもちゃは細かく区切りすぎず、大きな箱ひとつに戻せばいいくらいがちょうどいいです。

玄関は“家の第一印象”より“片付けやすさ”を優先する

玄関が散らかっていると、それだけで家全体に「片付かない印象」が出てしまいます。靴、子どもの上履き、保育園の帽子、宅配用のハンコ、チラシ…。いつの間にか床に広がってしまう原因は、「しまう場所が遠い」「しまうのが面倒」のどちらかです。

我が家では、子どもが靴を脱いだあとすぐ片付けられるように、シューズボックスの下段を子ども専用にしました。さらに、よく履く靴はあえて箱の中に入れず、出しっぱなしでも見苦しくならないように小さなマットの上に置くようにしたら、朝の忘れ物も少なくなりました。完璧に片付けるより、「しまいやすいこと」を優先すると驚くほど散らかりにくくなります。


洗面所・脱衣所は“収納を増やすより動線を短くする”

洗濯機の横に洗剤やタオルを収納するための棚を置きたくなりますが、狭い空間では収納家具を増やすほど窮屈になります。実際、突っ張り式の棚やワイヤーラックを買ったものの、結局ほこりが溜まって掃除が面倒になったという声は多いです。

一番使いやすかったのは、洗濯機の真上にタオルバーを設置して、バスタオルをそこに掛けておく方法。手を伸ばすだけで取れるので動きが少なく済みます。洗剤は、洗濯機の横ではなく上部の棚に“かごごと置く”スタイルに変えたら、出しっぱなしになることもなくなりました。


書類と紙モノは「3つの場所」に分けるだけで散らからない

郵便物、学校からのプリント、レシート、取扱説明書…紙類は放置するとあっという間に山になります。ただ、全てをファイルで細かく仕分けしようとすると続きません。最初から完璧を目指すより、「3つの箱」でざっくり管理するのが長続きするやり方です。

  • ① すぐ見ないといけないもの(学校連絡、支払い書)

  • ② 保管するもの(保険証券、保証書)

  • ③ 迷っているもの(とりあえずここへ)

実際、学校から毎週のように届くプリントは、すぐカバンに戻すと忘れやすく、ダイニングテーブルの隅に置いていました。でも“仮置きボックス”を作ってから、家族みんながそこに入れる習慣がつき、机の上が散らからなくなりました。


ストック品は「安いから買う」のではなく「置ける分だけ」

トイレットペーパーや洗剤のまとめ買いは、節約になる一方、保管できる場所がなければ逆にストレスの元になります。以前、調味料を安いからと業務用サイズで買ってしまい、キッチンの棚を半分圧迫してしまったことがあります。値段より「収納スペースに収まる量かどうか」を基準にするだけで、家の中が驚くほどスッキリします。

買う前に「ストックを置く場所が空いているか」確認するだけでも安心です。棚の奥ではなく、手前に揃えて並べることで、残量も一目で分かり、二重買いを防げます。


家族が散らかさなくなる“合図の作り方”

片付けの悩みは、家族が協力してくれないことにあると感じている人も多いと思います。実際、私も「どうして使ったものを戻さないの?」とイライラしていた時期がありました。でも家族からすれば「どこに戻せばいいのか分からない」だけだったことに気づいてから、散らかり方が変わりました。

・リモコンの定位置に小さなトレーを置く

・鍵は玄関のマグネットフックにかけるだけ

・子どものランドセルは棚にフックを付けて掛けられるようにする

片付けを“作業”ではなく“動作”にする。つまり、動作が1つ減れば片付けは続きます。


片付けが苦手な人ほど「完璧を目指さないほうがいい」

実際、私自身も物を減らすことが得意ではなく、思い出の品も、子どもの描いた絵も、簡単には手放せませんでした。何度も捨てようとしては途中で手が止まり、結局また元に戻してしまう…そんな繰り返しでした。

そこで「全部片付けようとしない」「今日は引き出し一段だけ」「この棚の左側だけ」と範囲を小さく決めて取り組むようにしたら、ようやく片付けが続けられるようになりました。気づけば3週間後には、家族が「ここ使いやすくなったね」と言ってくれたのを覚えています。


収納は“増やす”より“家の動きに合わせるもの”

収納家具を新しく買う前に一度立ち止まって、「今あるスペースをどう使えるか」考えてみることが大切です。家の動線に合っていない収納は、どんなにオシャレでも片付けが続きません。逆に、動線に合った収納はシンプルでも自然と使われ、生活に馴染んでいきます。


おわりに|片付いた家は、気持ちと時間の余裕をつくってくれる

家が散らかっていると、朝の準備が遅くなったり、人を家に呼べなかったり、不思議と気持ちまで疲れてしまいます。逆に、床が見えているだけで心が落ち着きます。収納や整理整頓は「きれいに見せるため」ではなく、「暮らしやすくするための道具」です。

狭い家でも、収納が少なくても、“仕組み”と“習慣”さえ整えば、片付けは驚くほど楽になります。そして片付いた家は、気持ちにも時間にも、余裕という贈りものをくれます。